抽象画をどのように描いていくのか?
ということが 今回のテーマです。
やはり具象画だけじゃなくて 抽象画も描いてみたいと思うかもしれません。
抽象的な作品は 一つの絵画のスタイルとしてとても魅力がありますよね。
今日は初めて抽象画に取り組みたい人へ 参考になるようなティプをここで記載していこうと思います。
抽象画は人間の潜在意識・身体の表れ
あなたは抽象画というのは何だと思いますか?
とりあえず人間の内面的なもの?
何かよくわからない、自分のもやもやした感情を
何かこうバーッ!と描くものかな?
と思うかもしれません。
日本ではすべてが写実的に、
写真みたいに描くっていうのが多いんですけど
アメリカでは、抽象画というのも具象画と同じくらい大切なジャンルになってきます。
やっぱり人間ってすべてをですね
リアルに写真みたいに描くと、、
どっかちょっと面白くないという
部分が出てくるわけですね。
そこで抽象というものが出てきました。
抽象の意味は「像を抽出する」という
意味なんですが、、、
この「像」というのが人間のより潜在的な意識とつながっているの像なんですね。
潜在的な意識っていうのは目の前にある
ハンバーガーの形ではなくて
人間の記憶やイメージ、瞑想しながら感じるもの
夢の中で見る景色などが挙げられます。
または体を通して描く軌跡ですね。
例えばバレーだったりとかダンスでは
身体が動くことによって「一瞬ではなくて、その体の動きが線となって時間軸を通して軌跡に」
になっていったりするわけですね。
そういったイメージであったりします。

人って体の動きを通して多くを表現しているんです。
例えば、「願い」「切望」。
こうなってほしいという願いがあっても人生でそれが叶わなかったときに、 人間はがむしゃらにもがいたりしますよね。
そういった体の衝動だったり
人生を体で悪戦苦闘して何かを探し出していく
という行為においては
頭と手先だけを使うわけではないんですね。
体全体を通して、人生で自分の最大のパフォーマンスを得ようとしている行為であるわけですね。
つまり「視覚」においては形のあるものが
見えてきますけども、 我々は視覚だけではなく
身体、触覚、聴覚、五感、六感、すべてを使って
何かを探している訳です。
つまり目に見えないものを探す場合、、
視覚だけではたどり着けない。
形が曖昧なもの多く存在しているわけです。
そういうような潜在意識を抽象的な形で探し
表現していくというのが抽象画の本質
であると思います。
抽象画を描く3つの方法
次に抽象画を描くための3つの方法を説明していこうと思います。 つまり、抽象画を描くのに効果的な描き方というのがあります。 それを見ていこうと思います。
①物質の性質を利用する
まず1つ目、これは素材の性質を利用したり
偶然の反応を利用して抽象画を描く方法です。
例えば金箔や銀箔を使った表現です。
金や銀などを膠とかで画面に貼って
その表面に硫黄などの粉を振りかけます
それをバーナーで炙ったりします。(要換気!)
するとイ硫黄と金箔、銀箔、バーナーの炎と熱
が科学反応を起こして金箔が茶・黒・オリーブ色 に変色し、その模様が何とも抽象的なのです。

これは日本画では「焼箔(やきはく)」
と呼ばれます。
こういった素材の性質、化学反応を利用し
抽象画を描くことによって、自分の思いもしなかったような効果が現れたりするんですね。
これが筆でそのまま描くというのとは違う部分です。



この偶然の効果、素材の力を借りるというのは
必ずしも絵画でペナルティ、王道ではない
とはいえません。
つまり、技法と自分の内面の奥深い部分が
繋がればいいのです。
自分に合った技法・素材を探すことが一番です。
②ドリッピング
二つ目はドリッピングなどの身体的な動きと
絵の具を融合させて絵を描くことです。
ドリッピング(Dripping)とは
ジャクソンポロック(Jackson Pollock/1912- 1956)が「アクションペインティング」といって
使っていた技法です。

これはキャンバスを日本画のように床に置いて
そこに身体の動作で感覚的に絵の具を
垂らしたり、ぶちまけたりする描き方です。
自分の体を動かしながら絵の具をぶちまけ
偶然というか意図しないような効果を作り上げていく。
ですがこれは、結局は偶然に作り上げているようで
必ずしも意図していないと言うことはできないんですね。何故なら、体の動きっていうのはどこか心とか脳と繋がっているんですね。

この作品は韓国にいたときに描いた抽象画です。 韓国にウルルンという島はあるんですけれど、そこに訪れた時のイメージを形にしたものです。波しぶきや岩山の雰囲気を絵で表したものです。この作品は紙の上にドリッピングや身体を通して感覚的に描いた筆跡が残っています。
ただ、筆で描くっていうのは
ある意味手先で描くんですけども
ドリッピングは体全体を使って描くような
効果を生み出していきます。
それにより自分の知らなかった、、
頭とか脳とか知識だけでは表現できなかった
体の深い潜在意識から来る、、
そのような効果を期待することができます。
とても面白い表現で、抽象を描く時の
一つの重要な描き方だと思います。
身体性についての動画はこちらから↓
③筆を使った半抽象画
3つ目は筆を使った半抽象画です。
これは筆で部分的には具体的に描くという
行為を伴っていきます。
だから体で抽象的に描く部分、筆で具象的に絵を描く行為が半分半分ぐらいということですね。
具象的に描くほど、手先と脳を使うようになるんですね。
これは身体のどの部分で描くかにより
物の認識が異なってくることを意味しています。

イメージのモチーフは例えば雲だったり
海だったり都市だったりするんですけども
ある部分は現実的に認識して捉え、
ある部分は感覚的に筆のタッチや
線を通して描いていく。
こういう描き方も絵画に多く見られますね。


具象画のマインドでは抽象画は描けない

抽象画はものを写実画を描くように
かまえてしまうと、、、
きちっと固まってしまってなかなか
潜在的な形が出てきません。
(まあ、、、なんでも形があること自体不思議ですが。)
何故かというと、そういったきちっとしてしまう部分においては体が硬直してしまい、体が硬直するとイメージが硬直してしまうからです。
もっとラフな感覚、心を楽にして
体の動きに沿って描いてみる。
何かこう、五感、六感に従って、
感覚に従って筆を動かしてみる、
体を動かしてみる、。
そういう中で、あなたの潜在意識と結びついた表現が出てくると思います。
写実画を描くときは、しっかり物を見ないといけませんし、それが重要視されるわけですね。
ですけど、抽象画というのは
より潜在意識のつながっていく部分なので
それを表現するのにふさわしい表現のスタイル
技法、マインドというのがあります。
なので普段とは違う方法を通して
抽象画を描いてみたら、あなた自身の違う側面を知ることができると思います。
具象だけじゃなく、抽象もオンライン開学教室で教えていますので、もし興味があればこちらからアクセスしてみてください。


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