今回はバナナを鉛筆でラフに描きながら、それなりに完成して見える、つまり短い時間でデッサンの完成度を上げるポイント解説していきます。
バナナというのは比較的描きやすいモチーフです。何故なら、色んな固有色を含んでギラギラしているわけでもなくて、シンプルに黄色一色だからです。
ですが、デッサン力を上げる練習材料としてはもってこいのモチーフです。

形を上手く捉えるには?/大きな比率から→小さい比率へ

まずは、バナナの大きな縦横の比率を掴んでいきます。 最初に、バナナ一本一本が目に入っちゃったりとか、いろんなディテールが目に入ってきちゃいますよね。ですが、 それを苦労して描くよりも、大きな縦横の比率を掴むことが大切です。

そして次にバナナ1本1本を描いていきます。
ここでのポイントは、あまり曲線的になりすぎずないことです。デッサンが初心者の場合、多くは曲線でものを捉えすぎてしまいます。
ですができるだけ直線で物を捉えることが重要です。 そうすることで空間がしっかり見えてくるわけですね。 フサも「オェ~」とならずに描いていきましょう。

大きなプロポーションがこれで取れたので、後は形をじっくり見て、曖昧な線ではなくて、しっかりとした、一本の線で形を捉えていきます。 ここ形をしっかり捉えてしまった方が、明暗を安心してつけられます。
この「形を捉える力」というのは、デッサンにおいても、イラストレーションやデザイン、油絵でも大変役に立ちます。 デッサンでは形を捉える練習が沢山できるので修練していきましょう。
明暗を上手に付けるには?/大きく3色で捉えよう

次に明暗をざっくりつけていきましょう。
ここでは色を大きく3色に分けるだけでソレっぽく見えます。
①一番明るいところはバナナの光が当たっている上のところ
②バナナの側面が中間色
ここは大きく縦のタッチで捉えています。
③一番暗いところは影の色
ということで、大きく3つに分けて明暗を捉えていきます。 この3つに分けるというのがポイントです。

次に、バナナ1本1本の明暗を見ていきましょう。
バナナ1本1本の中には微妙にもっと暗い部分があるのですがその部分を少し暗くしていきます。
先の3分割した明暗にさらに色の幅を出していくんですね。それによって絵がよりリアルになっていきます。

次に、バナナに光が当たって一番明るくなる上の部分です。その明るい部分の中にもすこし暗い部分が存在します。そこは少し丸くカーブになっています。そこに少しだけ鉛筆を載せて暗くします。
ディテールを描く意味&背景を描く

最後にバナナのディテールを描きます。
では、どこがディテールかというと、一番目につくところがディテールなんですね。
このバナナの先っちょとか、とんがっているところ、上のヘタの部分とかがディテールになってくるわけです。 ディテール部分は大雑把な形ではなく細かい形になっていきます。ですので集中して描く必要がありますね。
ディテールを描くことでバナナらしさが出てくるわけです。 逆にディテールを描かないとバナナのデッサンとしての完成度があまり見えてきません。
細部は絵の完成度を上げる為に描く必要があります。

次に背景です。背景はテーブルとその後ろの壁です。
背景を描かないとどちらかというとデザイン科のデッサンっぽく見えてきますけれども、 背景を描くと空間に奥行きがでますので、ザ・絵画という感じが出てきます。

こちら完成したバナナのデッサンです。
今回はデッサンというか、ドローイングに近いです。 というのも、あまり鉛筆を沢山のっけて明暗を濃くしたり密度をだしている感じではないからです
ですが大きな雰囲気や空間が見えるのはラフに描きながらも、大きなポイントは抑えてあるからです。
それは形のバランスだったり、明暗のバランスです。
そうすることで、あまり描かなくても絵として見せることができます。ですので、ポイントを捉える練習をしながらデッサン力を上げることをお勧めいたします。

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