今回は、タブレット(Ipad)で桃と林檎を描いていきながらどのように絵画を構成していくのか?
について学んでいこうと思っています。
水彩とか油絵とか、色を使う媒体はたくさんあります。ですが、タブレットで描くメリットは、色を自由作ることが出来て、 簡単に塗ることができることです。つまり、色彩をどのような配置で置くのかとか、どのような色調にするのかなどを手軽に研究することができるんです。では見ていきましょう。
桃を絵画的に描く│明暗と色調

こちらが桃を絵画的に構成して描いた作品です。
昭和の油絵みたいな感じで、暗い中でじわっと物が見えるというスタイルです。 では色彩や明暗のバランスを解説しながら、どうやって絵を作っていくのか?に対して研究していこうと思います。


左が元になった写真です。
まず、大きな特徴としては明暗のバランスが違います。 写真を見ると、光が右上から入ってきて、光がリンゴに当たり、光と影というコントラストが強く見えます。ですが絵ではこのコントラストを弱く描いているのです。
まず、テーブルに写っている布の白さをグレーにもっていきます。次に桃の光の当たっているハイライトを中間色に暗くしています。 そして桃の影の暗さも少し明るくしました。また背景は写真では暗闇になっていますが、ここを中間色に明るくします。
このように全体的なコントラストを弱くしているのです。

次に桃の色彩の調節です。
全体的にイエロー、オレンジ、レッド=暖色系で描きました。
「背景の壁?暗闇?」はオレンジにグレーを混ぜた色にしていきます(ここではオレンジが強い)。 そして「テーブルクロス」はオレンジにグレーを混ぜた色にしていきます(ここではグレーが強い)。
「メインの桃」ですが、ハイライトの明るい部分はオレンジにグレーを混ぜた色、暗い部分には赤にもグレーを混ぜた色にしています。 (赤を使いアクセントを出します)
「葉っぱ」は黄色にグレーを混ぜた色にしています。
実は黄色は黒を混ぜると緑っぽく見えるっていう不思議な現象が起こります。
このように色調を変えながら絵画を作っていきます。
林檎を絵画的に描く│明暗と色調

こちらはリンゴをタブレットで描いたものです。
先の桃と同じようにクラシックな感じで描きました。コントラストを落としつつ、 じわっと味のある、浮き出てくるような感じで描いてみました。
こちらも明暗のバランスと色彩のバランスを意図的に絵画的に作り上げています。 では。どのように絵を構成していったのか解説していきます。


左の写真が元のイメージです。 なんかクリスマスっぽいですね。 こちらも右から光が強く当たりコントラストが強いイメージです。
では明暗のバランスの変更についてみていきます。
まず「リンゴ」のハイライトの白は抑えて明るい中間色にしてあります。 リンゴの中の中間色はそのままですが、リンゴの暗い影は中間色として描いています。
「背景の暗闇」も中間色に変更しました。
手前のテーブルの台ももともと明るいですが、グレーに変更しました。
「籠」の明るい部分を少し暗めに描き、籠の影を中間色として描きました。
つまり全体的にコントラストを弱めているということです。

次に色彩のバランスを見ていきましょう。
黄色、オレンジ、マゼンタ、赤とさっきの桃よりいろんな色を使っています。 具体的にはマゼンタを導入しました。 マゼンタというのはですね、赤と紫の間の色すよ。
まず「リンゴのハイライト」はオレンジにグレーを混ぜて、オレンジ系にしました。オレンジ・グレーを使うと絵がクラシックな感じになります。
そして「林檎本体の赤」は、本来鮮やかな赤ですが、そこにグレーを混ぜ、濁った赤を使います。
そして「手前のテーブル」ですが、本来は黄色系の色ですが、マゼンタにグレー混ぜて、マゼンタ系のオシャレな感じにしてみました。
「背景」に黄色系の色を使っています。
明るいところは黄色に少しグレーを混ぜて、
暗いところは黄色に黒を混ぜています。
先の桃よりはマゼンタをつかっているので、
色幅が多く、キャピキャピしている感じになっています。
このように使う色と明暗を変えると、より絵画的な表現になるので挑戦してみてください。

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