光を色彩で表現しよう│油絵で雲を描く②

油絵で描いた雲

前回に引き続き雲を油絵で描いていきます。
今回のテーマも「色彩を上手く使おう!」です。
絵画力は色彩力とデッサン力の大きく2つに分かれます。ここでのテーマは色彩です。
どのような色彩を配置すれば絵が魅力的に見えるのか?では、順をおって説明していきます。

目次

落ちついた印象の雲を描くには?│色相の幅と絵の印象

油絵で描いた雲
側光の光

さて、こちらの絵はどのような天候、
季節、時刻の雲の絵でしょうか?
光は左から差し込んできますので、午後の3時くらいの時間帯かもしれません。日没なら太陽が地平線に沈み下から光が差し込んできますし、正午なら真上から差し込んでくるからです。

光が左から差し込んでくる(側光)なので、
雲の明暗のバランスとしては
ハイライト33%/中間色33%/暗い部分33%

くらいですね。

使用した色
・イエローオーカー
・バーントシェンナ
・マゼンタ(キナクリドンマゼンタなど/クサカベ)
・白/黒

油絵で描いた雲
色彩バランス

今回は、、
雲のハイライトをイエローオーカー+白
中間色をイエローオーカーそのまま
暗い部分をバーントシェンナ+グレー
背景の空をマゼンタ+グレー

で作りました。

色相としては似ています。
黄色→オレンジ(バントシェンナは暗いオレンジです)→赤紫(マゼンタ)となるワケです。

色の幅を沢山使っているわけではありませんので、
全体的に落ち着いた雰囲気になっています。

黄色と紫は補色ですので、しいていえば、
雲の黄色と背景の赤紫は補色に近い
わけで
アクセントになっています。

色彩を操作して自分の好みの雰囲気にしていきましょう~~。


ポイント

色の色相の幅を広く使う→絵が奇抜でアクセントが強くなる
色の色相の幅を狭く使く→絵が落ち着く

日没と全光の雲│絵をダイナミックな印象にする色彩配分とは?

油絵で描いた雲
夕暮れ時の雲

ではもう1パターン絵を見ていきます。
これは何時くらいの空の雲に見えますか?

右下から太陽の光が差し込んで見えますので
日没の雲
に見えますね。
雲を見る角度は全光(光が正面に当たっている)に
近いです。


なので、、、
雲のハイライトの面積75%くらい占めていて広くみえます。さっきと明暗のバランスが違って面白いですよね。

使用した色
・パーマネントイエロー
・パーマネントオレンジ
・カドミウムレッド
・セルリアンブルー
・白/黒

光の方向と当たり方=明暗の再現→デッサン力に属します。
色の屈折と色彩の変化=色彩による絵の雰囲気の構成は→色彩力に属します

油絵で描いた雲
色のバランス

では配色のバランスをみていきましょう。

雲のハイライトはパーマネントイエロー+白
中間色はパーマネントオレンジ+白
暗い部分はカドミウムレッド+グレー
そして背景の空の青はセルリアンブルー(ザ・ブルー的な青)+グレーで少し彩度を落とした暗めの青です。


色相は、、、黄色→オレンジ→赤→青です
青がいきなり飛んでいますがオレンジの補色が青なので絵に対比がうまれ、色彩のコントラストが強い絵(印象の強い絵)になっています。

青とオレンジの対比、、、、
これがダイナミックな印象の空を作り出している
わけですね。

色の感覚は研究すれば必ずアップする

色彩感覚というのはもって生まれたセンスというより、自分でどれだけ研究したかが重要になってきます。

研究して自らの絵で実践して使用していく、
そうすると色彩感覚は着実に磨かれていきます。

研究と実践にまさるセンスはありません。

最初は分からなくて当然ですので気にせず挑戦していきましょう~~。

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この記事を書いた人

Hisa Gemmaのアバター Hisa Gemma Landscape painter

絵画は人生を豊かにするをモットーに
20年以上絵を描き続けている画家です
アジア・ヨーロッパ・中南米・北米を旅しながら絵画を制作しています
個展・団体展・アートフェアで作品を発表しています
オンラインでの絵画講師3年、美術系学校での講師10年も経つつ
実用的なデッサン・水彩・油絵スキルと絵画制作とアート業界を通じて得た経験談やインスピレーションを共有しています。
絵を描き、人生のスパイスになれば嬉しいです

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