写真を見て描いた静物画と、
実際のモチーフをみて描いた静物絵の違いは「空間の深み」です。
写真ではその空間の深みを表現できません。そのような理由で、わたしは現実のモチーフをじっくりみてその「深み」や「ズレ」を捉えるのが好きです。今日はその深みを考えながら静物画を解説していきます。
写真の目と人間の目の違い

こちらの油彩の静物画は面白いモチーフの組み合わせです。木の鉢の中には土が入ってるんですが、その土の中にジャガイモががッと置かれています。
構図としては手前のニンニクがメインですね。葉っぱにニンニクが「包まれるような感じ」で、置いてあるんですね。
これはよく擬人化とか言います。ニンニクや植物は人ではないモチーフなんですが、人間的な情緒が含まれてるような感じがするという意味です。
この絵から、「深み」をテーマに、その美について語っていこうと思います。

カボチャや直物の葉は奥に行くほど、ボケています。人間の目は、どこにピントを合わせるか合わせないかっていうのは、結局はその人次第になってきます。
だから、写真機のレンズのように、何か定められた、ある機械的なプロセスで像を転写するっていうよりは、人間の感情と思考に密接に関わってくるっていうことですね。
もちろん手前はちょっとピントが合って奥はボケるっていうのはそうなんですけども、思考や感情が絵の深さに影響してくるということです。特に葉っぱのアウトラインなんかは、どこを見る見ないっていうのは、人によって随分変わってきます。

鉢の回り込む部分は輪郭が黒くなっています。これはそのように実際見えたわけです。頭で考えてそのようになっているのではありません。
後ろの布の、境界線が、ボケたり、ボケなかったりしてるのも、実際そう見えていたっていうのが面白いことです。

背景の壁とテーブル、見てる部分と見えてない部分が、人間の目には生じます。
写真だと全部ピントが合っちゃいますが。
そこが絵画と写真の大きな違いです。

植物の葉です。
葉はほぼ平面なので輪郭が見えたりボケたりします。この絵ではその輪郭の、強調するところは濃く描き、ぼやけて見えるところはかなりボカシて描いています。
それにより空間がでました。

こちらが、メインのニンニク。
ニンニクの質感について、語っていこうと思います。表面はパリッとしていて、以外に反射光は結構強く入ります。全体に白なんですから、周囲の色が反射されて、オレンジ、茶色、緑の色味が入っています。この切れ目?皮の線が写真では全て描写されるとおもいますが、実際は見えたり見えなかったりします。

結論
「空間の深み」は、人間がモチーフの空間をそれだけ深く捉えたかにかかっていると思います。
深さを感じることができればそこに深さが実存したことにもなり、あとは「実存として感じれたその深み」を絵で再現するだけです。
ですが最初から深みを感じれなかった=そこに存在していなかったとすると、そもそも深みを描くことはかなり難しいと思います。
あなたはどう思うでしょうか?










コメント