静物画は風景画に比べると、狭い空間です。そして、「空間」はそこにモチーフが無ければ複雑にはなりません。何故なら何もなければ、空間はシンプルだからです。
しかし卓上にモチーフがあるほど空間は複雑になっていきます。
例えば、植物です。それは葉が幾重にもあり、それが空間を複雑にしています。
今日はモチーフが背景との空間をどのように変化させていくのかを考えます。
空間の形はその中のモチーフの形で決まる

この静物画は台の上に置かれている、林檎、石、植物を描いたものです。
「空間」とは何でしょうか?
私は空間にも「形」が存在すると考えます。
例えば何もない空間に林檎が登場すれば、何もない空間の一部は、
林檎の形で満たされるので、何もない空間は林檎を白くくり抜いたような形になります。故にモチーフが登場すると空間の形は複雑になっていくのです。
これは言い換えるとあるモチーフの形を描くということは、背景の空間の形を描くことと同じ意味になります。

この絵でモチーフと背景の空間が複雑な部分は植物と石の部分です。特に葉っぱはねじれて、ウネウネして、ところどころシャープで、、空間がとても複雑です。
背景は奥行きのある台と、垂直の壁だけなのでシンプルですが、それらが出会うキワ(葉っぱの輪郭の部分)は極めて変化の多い部分です。

次に複雑な部分はこの「石」が集まっている部分です。石が4個ぐらいあります。手前にある石、奥にある石で違います。
そして石一個をみても、輪郭が奥に入り込む部分、手前に出てくる部分とあり、
以外に空間が複雑です。
こう見ると石は単純に見えて、
深みと個性があります。

リンゴは皮の模様や質感は複雑ですが、
輪郭の空間はシンプルです。
今回は林檎についてはあまり触れません。

こっちは、左背景です。
奥はあまり描かず、ぼんやり描写し、手前は布の皺などを描写しています。
奥は青・緑(寒色)をつかい、手前は黄色・オレンジ・ピンク(暖色)をつかい、色でも遠近感を出しています。

右側の背景です。
「空間」的な観点からみると
奥は、「ボンヤリした台の空間」で満たされていて、
手前は、「ハッキリした布の皺の空間」で満たされています。
つまり今回の結論は、「空間の性質」はそれを満たすモチーフで決まるということです。人の人生はその中で何をしたかによって決まる。と同じような意味とも言えます。


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[…] 林檎・石・植物のある油絵の静物画│空間はどのように決定されるか? […]